2021年6月24日 感性論哲学 テーマ「人間への深い理解」 芳村思風先生75分
感性論哲学 テーマ「人間への深い理解」
人間の森大学 川人正臣
◆日時 2021年6月24日 木曜日 20時00分~22時00分 ZOOM開催
◆内容 ※思風先生の講義から川人の言葉でまとめています。
◇真実は変わり続けている
自分は善人だと思い込んで人のことを批判する人が多い。実は自分が正しいと思い込んでいることは他人から見ると真逆になることもある。また、正しいと思い込んでいる答えも変化していることに気づかない。真実とは変わり続けているということに気づいていない。
今よりも素晴らしい未来を創り続けていくためには、真実も変わり続ける必要がある。そのためにも人間は自省する必要がある。自らを内省し、新しい答えを生み続ける。
◇哲学の使命とは
これから目指していくべき未来へのビジョンや理想を指し示すこと。これが哲学の使命。未来への理想やビジョンを描くことができれば、その理想に向かって人間は努力を続けられる。希望が持てるようになるということ。
逆に理想や夢のない人は、日々の生活をなんとなく送ってしまう。たとえ病気になったとしても、未来に理想や夢や希望を持てれば生きる活力が湧いてくる。未来に理想を描けず絶望を描けば生きる価値を見失い絶望の日々を送ることになる。人間に必要なものは、未来に理想を描き、それに向かって日々努力をし続けることが豊かな人生につながるのである。
◇あなたは世界中たったひとりの人
人間は一人ひとり違う。全く同じ人間はどこにもいない。世界にあなたは一人だけ。それは顔を見ればよくわかる。双子であってもよく見るとどこかは必ず違いがある。ということは、自分の持つ特徴や能力も、誰にもない自分らしい特徴が必ず備わっているということ。このことが理解できれば、自分にしかない能力を見つけ出し、その能力を磨いて活かしていくことができる。この能力を天分という。さて、その天分とやらを見つけているだろうか・・・。
◇人間は全員が長所半分、短所半分
人間には長所も短所も半分ずつ備わっている。その根拠は宇宙の法則にある。宇宙のバランスは調和によって成り立っている。その調和は2つの極によるバランスだ。陰と陽。善と悪。右と左。男と女。上と下。挙げればきりがないが2極の違いのバランスによって調和している。だから人間には長所と短所が半分ずつあると言える。善と悪も、正と異も、こちらが善(正)と思っていても、相手からみるとこちらの方が悪(異)となることもよくあること。だからどちらが正しいとか悪いとかというよりも、立場の違いや意見の違いとして、謙虚な姿勢で相手の立場に立って対話をしなければ人間関係が崩れてしまう。
◇短所はなくさなくていい
今まで短所をなくして、長所だけを伸ばす教育がされてきた。感性論哲学では、短所はなくさなくてもいいと考えている。なぜか、それは、短所があるから人の心が分かる。自分の弱い部分、人には見せたくないところ、すなわち短所があるからこそ、人にやさしくできたり、謙虚になれるのだ。
人間の最も醜い姿は「傲慢」であること。その傲慢な自分を謙虚にさせてくれるのが短所であると考えている。長所を使って人のお役に立ち、短所を使って謙虚な自分に立ち返る。だから短所は無くさなくていいのだ。
◇究極の愛とは
長所も短所も愛することが究極の愛。相手の長所を見て好きになったとしても、短所が見えたらすぐに別れる。よくあることだが、本来人間は長所と短所は半分ずつあるので、付き合う時は長所も短所もその両方を愛することでしかうまくいく方法はない。人間そのものを愛しているのではなく、その人の長所だけを愛しているので短所を見つければすぐに離婚となる。長所も短所もすべてを愛することが、人間そのものを愛するとうこと。これが究極の愛の姿である。
◇良いことをしても半分の人から憎まれる
政治家も、経営者も、良かれと思って判断し行動している。けれども半分ぐらいの人からは批判される。コロナ対策もワクチン接種も、良かれと思ってやっているが、ある人からは歓迎される半面、意見の違う人々からは批判される。これが社会であり、人間というものの本質であることを先ずは知っておく必要がある。人間の本質はここにあると理解しておかないと、この世は生き抜いていけない。人間の本質とは、味方が半分、敵が判断ということ。
◇政治家の使命
権力や支配による統制のない社会を創ること。それはなぜか。権力があると、意見が違う相手を必ず封殺する。権力がないと大衆をまとめることはできないという人もいるが、権力を使ってまとめると、いつかは暴動が起き社会が混乱する。人間の本質の中には、自由な発言や行動を抑制されると、争いが起きるのはいつの時代も変わらない。究極のテーマではあるが、権力による支配は必ず混乱と悲劇をもたらす。
◇教育の本質とは
人間らしい人間を育てること。これが究極の教育だ。では、一体人間らしい人間とは何か。
今の社会の特徴は権利を主張し合い、考え方や価値観の違う相手を非難・誹謗・中傷する社会となっている。SNSやTwitterで名を隠して卑劣な中傷を行っていることが目立つ。
街を歩いているとマスク警察がにらみつけて指摘する。その人にとっては自分が持っている価値観や正義をかざしてヒステリックな対応をする。正しいことをやっている自分を見習え。お前は間違っている・・・。逆に言われた側も対決姿勢を表す。まあどっちもどっちなんですが・・・。
非難の先にあるものは対立とイライラが残るのみ。これが理性の欠点だということが理解できない。人間はだれしも長所と短所は半分ずつあることを知っていれば、相手のことをもっとおおらかに見たり、穏やかにみて対応できないものだろうか。
では、感性論哲学からみた人間らしい人間とは何か。それは7つの愛を持っている人のこと。この7つの愛を身に着ければ、人間関係で悩むことはなくなる。すなわち争いがなくなる社会を創れるということ。なかなか難しいが、ぜひ夫婦間で、また会社で実践してみて欲しい。
【7つの愛】
認めてあげて、
分かってあげて、
許してあげて、
褒めてあげて、
好きになってあげて、
信じてあげて、
待っててあげる。
こんな愛の深い人が増えれば、温かい人情味のある社会になれるのだけれど・・・。
以上